この記事の読み方6のポイント
QRコードの位置検出パターン、マス、周囲の余白を示す図 拡大して見る ↗
図 01実際に生成したQRコードを使った図。内容は本サイトのトップURLです。番号は位置検出の目印、情報を持つマス、周囲の余白を指します。
  1. 位置検出パターン:向きと範囲の手掛かり
  2. マス:データ・訂正情報等の配置
  3. 周囲の余白:コードを区別する
働く順番をたどる

データを模様に。模様からデータへ。

符号化・訂正情報・認識・復号

作成する側と読む側の役割を順に追います。コードの一部の損傷を訂正できることと、任意の面積を隠しても読めることは別です。

01符号化文字からビット列
02訂正情報復元に使う情報
03認識目印・余白・配置
04復号元の文字へ戻す
  1. 01

    データを符号化する

    数字・文字等を方式に応じてビット列へ変換します。情報量に応じてコードの大きさや構成が変わります。

  2. 02

    復元用の情報を加える

    誤り訂正の情報を付け、決められた配置でマスへ並べます。すべてのマスが元の文章そのものではありません。

  3. 03

    カメラから位置を見つける

    位置検出の目印や周囲の余白を使って、コードの範囲・向き・マスの配置を認識します。

  4. 04

    情報を読み戻す

    黒白のマスを読み取り、訂正・復号を行って元のデータへ戻します。URLなら、その後にブラウザ等が通信します。

役割模型。実際のビット配置、マスク選択、符号処理を省略。一般的なQRコードとMicro QRなどを同一に扱いません。

黒白の模様は、データを表す並び

QRコードは二次元コードです。縦横に並んだ小さなマスを使って情報を表します。マスはモジュールと呼ばれます。画像をそのまま縮めて入れるのではなく、文字などを符号化して配置したものです。

数字、英数字、日本語など、扱う内容によって符号化の方法が変わります。見た目が同じ程度の文字数でも、必要な情報量が同じとは限りません。

目印があるから向きと範囲を認識できる

一般的なQRコードでは、三つの角に大きな四角い位置検出パターンがあります。読み取り側はこれらを手掛かりに、コードの位置や向きなどを見つけます。他にもマスの位置合わせや構成を示すための情報があります。

大きな四角は、文章の一部を拡大して描いたものではありません。読むための目印です。コード周囲の余白も、他の印刷や模様と区別するうえで重要です。「黒白が残っていれば、余白を切っても同じ」とは考えないようにします。

すべてのマスが本文データではない

コードには元のデータのほか、誤り訂正用の情報、形式などを示す情報、各種の目印が含まれます。読み取り側は規則に従ってマスを読み、必要な情報を取り出します。単純に左上から黒を1、白を0として全部つなげるだけではありません。

図に使ったコードは、本サイトのURLから実際に生成したものです。情報部分だけを想像でランダムに塗った「QRコード風の絵」ではありません。拡大すると、目印と細かなマスを分けて見られます。

↔ 表が収まらない場合は、横にスクロールして比較できます。

読む目印・元データ・訂正情報・余白の役割を分ける
要素 役割
位置検出パターン コードの範囲や向きを認識する
データ部分 符号化した内容等を配置する
誤り訂正の情報 一部の損傷を復元する
周囲の余白 背景や他の模様から区別する

誤り訂正は、別の情報を使って復元する

QRコードは誤り訂正の情報を加えることで、汚れや損傷があっても一部のデータを復元できます。どの程度まで対応するかは誤り訂正レベルなどで変わります。その分、同じ元データでも必要な構成に影響します。

ここで大切なのは、「一部を復元できる」と「どこをどんな形で隠しても読める」は違うことです。**誤り訂正率は、画像の任意の面積を隠してよい割合を保証するものではありません。**目印が壊れたり、損傷が偏ったりすれば認識・復元できない場合があります。

情報が増えると模様も細かくなる

QRコードには情報量に応じたバージョンがあります。バージョンが大きくなるとマス数が増えます。同じ印刷サイズなら一つのマスは小さくなるため、カメラ、距離、印刷品質の影響を受けやすくなります。

「大きな画像に拡大すれば、情報が勝手に増える」という意味ではありません。拡大は同じマスを大きく見せる処理で、データ量を変える符号化とは別です。

図2では、短い英字SHIKUMIと本サイトのトップURLを、同じ訂正レベルMで実際に符号化しました。周囲の余白込みの幅をそろえても、21×21と29×29のマスで細かさが違います。符号化の方法や訂正レベルもサイズに関わるので、「文字数だけで必ずこの大きさ」と一般化はできません。

訂正レベルMでSHIKUMIと本サイトのURLを符号化し、同じ表示幅で21と29マスの構成を比べる実QRコード図 拡大して見る ↗
図 02実際に符号化した二つのコード。訂正レベルM、余白4マス、余白込みの表示幅を統一。1はSHIKUMIでバージョン1・21×21マス、2は本サイトのトップURLでバージョン3・29×29マスです。同じ内容の拡大ではなく、データ内容と符号化を変えた比較。任意のデータ量だけでサイズが決まる図ではありません。
  1. 1:SHIKUMI、21×21マス
  2. 2:本サイトのURL、29×29マス
  3. 両方:訂正レベルM・余白4マス

よくある誤解:QRコードの中にWebサイトが入っている?

URLが入ったQRコードでは、読み戻した文字列を使ってブラウザ等が接続します。**コードの読み取りと、サイトの取得は別の処理です。**コード自体がWebサイトの内容を全部持っているとは限りません。

また、コードを読めることは、リンク先の信頼性を保証しません。表示されたURLを確認するなど、接続先も別に判断する必要があります。HTTPSも、通信の保護と内容の信頼を区別するための手掛かりになります。

紙に出す場合、QRコードの一つのマスと、印刷機構の一つの点は同じではありません。複数の印刷点で一つのマスを表し、境界と周囲の余白を保つ必要があります。プリンターの仕組みでは、液滴やトナーで点を作る工程を追えます。

図3は、画像の認識、訂正・復号、その後のWeb通信を分けます。コード内の文字を取り出す処理と、通信先からページを取得する処理は別です。アプリ固有の通信や内部の符号処理は省略しています。

カメラ画像からの認識、訂正とURLの復号、その後のWeb通信を分けた役割図 拡大して見る ↗
図 03URLが入ったコードを使うときの役割模型。コードの認識・訂正・復号と、その後のWeb通信は別です。小コードも本サイトのトップURLを符号化しています。訂正の成功やリンク先の安全を保証せず、アプリ固有の通信は省略。
  1. 位置とマスの配置を認識する
  2. 訂正・復号してURLの文字へ戻す
  3. Webの取得はその後の別処理
説明をもう一歩深く

よくある疑問

三つの大きい四角にも本文が入っている?

一般的なQRコードの大きな位置検出パターンは、範囲や向きなどを認識するための目印です。本文データとは役割が異なります。

30%隠しても絶対に読める?

誤り訂正率は主にコードワードの復元能力を示す目安で、画像の任意の面積を隠せる保証ではありません。目印の損傷や隠れ方にも左右されます。

読み取りには必ずネット接続が必要?

コードから文字データを取り出すこと自体と、URLを開くための通信は別です。アプリの機能や取得する情報によってネット接続が必要になります。

参考資料・出典

原理の説明と図解の確認に使った資料です。特定製品の機能は一般原理と区別して扱っています。

  1. デンソーウェーブ:QRコードとは? ↗

    二次元コードの特徴と方向の認識。 確認:2026-10-05

  2. デンソーウェーブ:情報量とバージョン ↗

    マスの構成と情報量の関係。 確認:2026-10-05

  3. デンソーウェーブ:誤り訂正機能 ↗

    誤り訂正の働きとレベル。 確認:2026-10-05

  4. キヤノン:インクジェットプリンター ↗

    液滴の着弾と紙送りによる点の印刷。コードのマスとプリンターの点を分ける。 確認:2026-10-04

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